あるサラリーマン 等身大投資

会社員としての給料だけでは稼げるお金に限界がある。限界突破を目指し投資の素人が等身大の投資にチャレンジ。

外資系サラリーマン、昇進・昇給、働き方について考える

多くの人が知るブランドの大手外資系企業で働いている。外資系企業と言えば、職能別の実力重視で昇進・昇給が決まるイメージを持っていた。しかし、私の所属する企業は人事考課が個々のビジネス貢献と紐づいておらず、同時に職位の降格という概念が希薄である。

結果、イノベーションを起こさない、硬直した人材の上に組織が成り立っている。これは、ビジネスに負の影響をもたらす悪い事である。

 

そんな企業では、どのように昇給・昇進できるのかが疑問になり、まずは、『悪いヤツほど出世する』著者 ジェフリー・フェファを読んでみた。この本の内容を参考に、今の会社に照らし合わせて考えてみた。

 

もちろん、私の所属している会社はよい面も沢山兼ね備えた企業である。今回は、どちらかと言うと負の面にスポットを当てた内容となっている。

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『悪いヤツほど出世する』 著者 ジェフリー・フェファ



■入社時のポジションで会社人生が決まる

私の所属する会社の場合、職位の降格という意識とそれを実行するための組織の機能が弱い。なので、転職組でも入社した際のポジションから降格がほぼなく、転職の際に口八丁で、自分を高く会社に売込むことに成功した人が得をする。また、プロパー組でも、過去の成功体験に囚われて老害となった人材が上に詰まっている。

 

誤解がないように断わっておくと、私は今の会社のビジネスが好きだ。しかし、私の場合、今の会社に転職してくる際に自分を高く売込まず、数百万円単位で給料を落して入社したことにとても後悔している。入社当時の自分は、前職で力を出し尽くし、メンタルが弱っていた。給料と職位を下げてペースを落として働きたいという気持ちがあったのは事実である。

また、転職の際に面接官から言われた、「うちの会社は頑張ればそれだけ評価が早いよ」という言葉をよく考えずに鵜呑みにした自分が甘かった・・・。

 

いざ入社し、多くの課題に対してお釣りが来てもおかしくない程に仕事を熟した。

そして、年度末の人事考課。上司からの評価も、通知表で例えるとオール5に近い。

さてさて、会社からの見返りは何か、期待してフィードバックを待つ胸躍る時だ。

約1か月後、上司からのフィードバックは、「数万円のインセンティブ」のみだった。

1年目だけでなく、2年目の人事考課も同様の状況だった。

「あれ、結果を残しても個人にメリットがない会社・・・?」

と疑いはじめ、その後、人事や会社の偉い人に会社の制度を改めて教えてもらった。

 

■虚像だった、職位別の給与テーブル表

転職での入社面談時、会社から職位別の給料テーブルを教えてもらっていた。職位とそれに併せて給料の伸びる幅があったので、頑張る余地があると思ったのだが、それは「虚像」であった。実際は、入社時に高いポジションから入らないと給料テーブルの上の方の金額には届かない制度なのである・・・。

このままでは、毎年、最高の評価を受けていても前職の給料にすら追いつかない・・・

 

■世に出回っているビジネスリーダー像とは違うリーダーがはびこっている・・・

上司に、具体的にどれだけの成果を残せば昇進・昇給するのかを確認した。結果、なんと、上司は部下の昇進・昇給の判断基準を把握していなかった・・・。また、この上司は自分の昇進・昇給の基準すら把握していない有様。

この上司、マネージャー失格・・・、実際にチームは既に空中分解を起こしてバラバラになっている。

 

この上司は、自分を高く売込んだ部類の転職組。なぜ、会社はこんなできないチームマネージャーを降格させないのか。ひょっとして、この上司の上司もマネジメント能力がないマネージャーなのか・・・?

 

彼ら多くのマネージャーに対して1つ言えることは、世のリーダーシップ研修などで教えられるリーダーとは違う像のリーダー達と言うことだ。

「会社の利益と一致していなくても、自己中心性(自己の利益確保)を第一に考えて行動」しているリーダーが大多数であるように思う。

 

■変わらない、変われない会社組織

外部環境の変化にビジネスを適合させ利益を出し続けるためには、組織自体の新陳代謝も必要となる。今日のスタンダードが10年後もスタンダードである可能性は低い。なので、トレンドにフィットできないリーダーは降格し、その時々のトレンドで頭角を現した人材が新たなリーダーになればよい。一度降格しても、敗者復活戦の仕組みを用意しておけば、文句は出ないはずだ。

 

とても単純な話だが、これを実現するのが今の私の会社では難しいようだ。

なぜ難しいかというと、会社の利益と一致していなくても、自己中心性(自己の利益確保)を第一に考えて行動するリーダーが組織体制の意思決定もするから、変えられない・変わらない訳である。グローバルでの業績も絶好調で、株主からの圧力もない。そもそも、過去に築いたビジネスモデルが強く、今、組織を変える・変わる意味合いが薄いのが実態だ。

 

■そんな会社だからこそ、会社の人生ではなく、自分の人生を生きる

中・大企業の場合、自分が明日から出勤しなくなっても利益を生み続ける。

組織としてリスクヘッジ出来ているので、一人が会社に与える影響は極めて小さい。観点を変えると、価値を生まずにサボっていても給料が毎月振り込まれるのである。

 

そんな環境に慣れてくると、自分の責任でリスクを取って価値を生み、お金を稼ぐということのできない人材になり、会社依存人間になってします。これが私の場合、サラリーマン人生のワーストシナリオだ。なぜなら、精神的にも経済的にも会社に支配され続けることになる。

多くの会社は利益を効率的に生み出すための装置にすぎない。社員を家族のように面倒をみることをしない。いつ見放されても文句を言えない。そんな装置である会社に自分の人生を支配されるのは御免だ。もちろん、社員は家族という姿勢を貫く会社も存在すると思うが、その割合は減少していくと思う。

 

一方で、会社側は社員のリクルーティングや愛社精神を維持させるために偽善で取り繕うのを辞めた方がよい。「社員を家族のように大切にする・頑張れば誰でも昇給できる・君のやりたい仕事を思いっきりできる・経営者人材に成長できる」などの虚像は辞めて欲しい。

偽善を売りにするのではなく、雇用契約でドライに会社と従業員が繋がる方が健全である。

 

私の場合、虚像にまみれた組織で、ラットレースに参加して昇進・昇給することに価値を感じない。自分の人生を自由に生きるための有形・無形の資産形成のための場として会社を活用したい、と改めて思い直した最近である。